「顧客とのコミュニケーションが苦手」、「良い関係が築けない」。
私はコンサルタントという仕事柄、毎日複数の顧客と仕事をしています。その中には、プライベートの話をする深い仲の顧客もいれば、浅い関係の顧客もいます。
なので、「人付き合いが苦手だから、、」と諦めず、ぜひ顧客との関係性構築にチャレンジしていただければと思います。
本記事では、以下について詳しく解説します。
- 顧客との関係性構築に必要な3つの行動
- 顧客との関係性が重要な理由
- 関係性構築の実践方法
本記事の内容を実践いただくことで、顧客と良い関係を築き、円滑に仕事が進められるようになります。
また、顧客との関係性構築に欠かせない「顧客の不満察知」に活用可能なリストを作成しました。本記事内でも解説していますので、ぜひご活用ください↓
顧客との関係性構築に必要な3つの行動
いきなり結論ですが、顧客と関係性を構築する際は、以下3つの行動を心がければOKです。
- コミュニケーションを増やす
- 相手の不安を先回りして解消
- 苦労を共有する
私の経験上、これらを実現できている限り、大きな問題が生じることはありません。
いわゆる「炎上案件」と呼ばれる、問題プロジェクトの例を以下に示します。
- 担当者の対応の悪さにクレームが入った
- スケジュールが遅延して納期を守れなかった
- 顧客が期待していた成果と認識のずれがあった
顧客を相手にした仕事であれば、どれもよくある話だと思います。
前述の3つの行動を取ることができれば、これらの問題を未然に防ぐことができます。具体的な実践方法については、後ほど具体的に解説します。
顧客との関係性が重要な理由
顧客の満足度は、成果だけでは決まらない
実は必ずしもそうでもありません。
多くの仕事は、一定の期間をかけて成果までたどり着きます。
例えば、デザインの仕事であれば数週間から数ヶ月かかるでしょうし、建設業であれば数年かかる場合もあるでしょう。そして最終的な成果の良し悪しは、一番最後、全ての仕事が完了した時に初めて分かります。
顧客の立場になってみたら、最後になってイメージと全く異なるものが出てきたら困りますよね?
「順調に進んでるかな?」、「あの人に任せて大丈夫かな?」
したがって、良い仕事をする上で、顧客との関係性構築は不可欠だと言えるのです。
関係性を構築することで顧客は「仲間」になる
顧客と初めて挨拶をした時点では、まだ完全に赤の他人であり、関係性はゼロです。
そのため、何かトラブルを起こしてしまった場合、顧客は当然不満に感じ、怒られることもあるでしょう。
私自身過去に担当したプロジェクトで大きなトラブルを起こしてしまったことがありました。しかし顧客と良い関係性を築けていたため、夜な夜な一緒に解決策を議論し、逆により一層関係性が強まった経験があります。
このように良い関係性を構築することで、業者と顧客の関係ではなく、一つの目標に向かって協力する「仲間」になることができるのです。
関係性構築の実践方法
冒頭で顧客との関係性構築に必要な行動は、以下3点であると述べました。
- コミュニケーションを増やす
- 相手の不安を先回りして解消
- 苦労を共有する
本章ではそれぞれの具体的な実践方法を解説します。
①コミュニケーションを増やす
コミュニケーション頻度を増やすことには、大きく2つのメリットがあります。
- 状況を伝えて安心感を与えることができる(自分→顧客)
- 顧客の考えていることや不安を把握することができる(顧客→自分)
またどのコミュニケーション手段を選ぶかも非常なポイントです。
- 1.対面の会話
- 2.電話
- 3.コミュニケーションツール(チャット等)
- 4.メール
一般的には、上から順に顧客との関係構築の効果が高いと言われています。
もちろん同時に多くの関係者と情報共有を行いたい場合はメールを使用するなど、使い分けは必要です。また最近では、新たなITツールの普及により、対面での会話や電話の回数が減ってきていることもあります。
これは表情や声のトーンなどを通じて、顧客との距離を縮めやすい側面があるためです。また手間がかかる行為だからこそ、「わざわざ自社まで足を運んでくれた」、「電話をかけてくれた」という感謝の念が生まれ、結果として信頼感につながる効果もあります。
もちろん時代の変化によって有効なコミュニケーション手段も変化していきます。ただ、少なくともあと5年は、このような泥臭いコミュニケーションは有効であり続けるでしょう。
②相手の不安を先回りして解消
密にコミュニケーションを取っていると、顧客が何に不安を感じているか察知できるようになってきます。不安を感じ取ったら、すぐに解消するよう心がけましょう。
このような行動を繰り返すことで「主体的に動いてくれる人・信頼できる人」といった良い評価につながります。
一方、対応が遅れて相手から先に指摘されてしまうと、「言われたことしかやらない人」という悪い評価につながってしまうのです。
このようなちょっとした対応の違いによって、相手の印象が大きく変わるのです。
確かにこのような「察する能力」には経験が必要です。正直、入社1,2年目の若手社員には難しいでしょう。
そのような人のために、私がこれまで100近い顧客に対してコンサルティングを行なってきた経験に基づき作成した、「顧客の不満察知リスト」を公開します↓
このリストの内容を頭に入れておけば、きっと顧客の不満や心の変化に気づくことができますので、ぜひご活用ください。
③苦労を共有する
前の章でも述べましたが、顧客と関係性が構築できると、「業者と顧客」の関係から「仲間」へと意識が変化します。
人は共通の目標に向かい、苦労を分かち合うことで仲間意識が強まります。
「苦労を共有する」イメージは例えば以下です。
- 「今の若者にヒットするデザインを考えるのは、非常に難しいことです。納得がいくまで徹底的に議論しましょう。」
- 「我々も試行錯誤しながら全力で今回のシステム開発に取り組んでいます。改善点があればぜひ指摘をお願いします。」
事前にある程度信頼関係ができていることが前提になりますが、顧客との関係性をさらに深めたい人はぜひ試してみてください。
まとめ
本記事では、顧客との関係性構築が必要な理由や、具体的な実践方法について解説しました。
関係性構築の実践方法
- コミュニケーションを増やす
- 相手の不安を先回りして解消
- 苦労を共有する
これらをしっかりと実践することができれば、必ず顧客との関係は改善します。1つずつでいいので少しずつ取り組み、仕事がしやすい関係性を構築していきましょう。
コメント