「転職でアピールできるスキルがない」、「自分の市場価値はどれくらいなんだろう…」
転職を決意したものの、アピールできる武器がなく、悩んでいる人もいるかと思います。
転職市場では、「特筆すべき能力がないのに多くの企業から引っ張りだこな人」がいます。
このような人は、企業のニーズに合ったキャリアを歩んでいるのです。
本記事では、以下について解説します。
- あなたの市場価値は低い?
- 市場価値の把握と高め方
- 自分に合った転職戦略
また、自分の市場価値を簡単に確認できる「市場価値 簡易チェックシート」を準備しました。
本記事の内容を理解の上、ぜひ試してみてください↓
あなたの市場価値は低い?
そもそも「市場価値」とは何でしょうか?
端的に言うと、以下になります。
市場価値は、以下3つの要素から決まります。
- 企業の需要
- 人材の希少性
- 能力の高さ
①企業の需要
例えば、1990年代であれば「日本の強みはものづくり」すなわち製造業と言われていました。
そのため、製造業に関わる機械設計や生産管理等のスキルを有していた人材は、「企業の需要」が高かったと言えます。
現在であれば、多くの企業がIT技術やAIの活用を志向しています。したがって、これらの業界で働いている人は、多くの企業からオファーが来やすい状況です。
このように同じレベルの専門性を有していたとしても、企業側の需要によってその人の市場価値は変わってしまうのです。
一昔前まで、転職市場では20代が圧倒的に優遇されていました。若い人は吸収力が高く、転職後も活躍してもらえると考えられていたからです。
一方で、40代・50代の管理職クラスの社員は、柔軟性の低さから敬遠される傾向にありました。
昨今ではこのような考え方は変わってきていますが、転職の際は年齢に応じた戦略を考えることが重要です。
詳しくは、「【年齢別の転職方法】年齢は関係ない?ポイントは「何を売りにするか」」を参考にしてください。
②人材の希少性
これが「能力の希少性」です。
近年最も平均年収が下がった職業の一つとして、「弁護士」が挙げられます。
これは2000年代に入ってから司法試験制度が改定されたことで、合格者数が大幅に増加したことが背景にあります。
結果として、世の中に弁護士が溢れ、「希少性が低下」したことで市場価値が下がってしまったのです。
③能力の高さ
「能力の高さ」については、イメージしやすいかと思います。能力が高いと、その人が生み出す付加価値も高くなります。
例えば、新人プログラマーとベテランプログラマーでは、同じ期間内に作成できるプログラムの量と質が異なります。
そのため、生産性の高いベテランプログラマーの方が当然市場価値も高くなるわけです。
転職活動では、資格よりも「その能力を発揮した具体的な経験やエピソード」を語れるかどうかの方が重要です。
転職のために資格を取得するのはあまり効率的ではないので、くれぐれも「資格ハンター」にならないよう注意しましょう。
参考:転職に資格がいらない3つの理由【結論:コスパを重視すべき】
市場価値の把握と高め方
自分の市場価値の把握
市場価値は、「①企業の需要」「②人材の希少性」「③能力の高さ」で決まると説明しました。
これら3つの観点を踏まえ、どうすれば自分の市場価値を高めることができるのか、戦略的に考えることが重要です。
まずは、「自分の市場価値の把握方法」について解説します。
市場価値分析:①企業の需要
需要がある人材かどうかは、働いている業界の成長率を調べることで把握できます。
例えば、IT業界もしくはAIといった分野は近年成長が著しく、転職市場においても人材の奪い合いが生じています。
業界の成長率は「業界動向サーチ」などのサイトで調べることができます。
年によって変動がありますが、「成長率ランキングが下位」もしくは「成長率がマイナス」となっている業界は、転職市場における需要が低下しているといえます。
業界を変える際は、現在の職種やスキルと関連性がある業界を選択するのがポイントです。
例えばあなたがビール会社で営業をしていたとしましょう。「営業」という職種を軸にするのであればIT業界の営業職に転職することができるでしょう。
もしくは、営業で培った「プレゼンテーション」のスキルを軸にするのであればコンサルティング業界に転職することも考えられます。
このように職種やスキルを軸に考えることで、他業界への転職であってもこれまでの経験を生かすことができるのです。
市場価値分析:②人材の希少性
「世の中全体」だと想像かつかないということであれば、まずは「あなたの職場」に限定しても構いません。
日々の仕事の中で、あなたにしかできない業務はあるでしょうか。
転職先でもその能力を活かせるようであれば、それはあなたの唯一無二のアピールポイントになるでしょう。
市場価値分析:③能力の高さ
能力の高さについては、「他の人と比べて、質もしくはスピードが秀でている業務がないか」考えてみましょう。
「資料を作るのが速い」、「大勢の前でも落ち着いて話すことができる」など、どんな些細なことでも構いません。
例えば、プレゼンテーション能力が高いことをアピールする、以下2つの文章を比べてみましょう。
- 説明A:「元々人前で話すことが好きで、どんな場面でも緊張せずにプレゼンすることができます」
- 説明B:「前職では年間100回プレゼンを行っていて、案件受注成績で1位を獲得したことがあります」
Bの方が説得力がありますよね。これは行動や成果が具体的な数字で示されているためです。
誰しも多かれ少なかれ何かしらの成果を上げたことがあるはずです。過去の経験を振り返って、アピールできる材料がないか整理していましょう。
それでも足りないと感じるようであれば、今後仕事に取り組む際に意識して改善に取り組めばOKです。
また、ここまで説明した内容をベースにした「市場価値 簡易チェックシート」を準備しました。
使い方は簡単なので、ぜひ試してみてください!↓
自分に合った転職戦略
効率的に市場価値を高める
市場価値を高めるためには、必ずしも3つの要素(①企業の需要、②人材の希少性、③能力の高さ)をすべて向上させる必要はありません。
例えばある能力が他の人よりも秀でているのであれば、その能力を更に伸ばすことに注力しましょう(③能力の高さの向上)。
そうすることで、他の人との差がより顕著になり、あなたの市場価値が向上します。
欲張って希少性の高いスキルの習得にも同時に取り組もうとすると、どっちつかずになるケースが多いもの。
自分にとって最も容易に向上することができる要素を見つけて取り組むようにしましょう。
転職によって市場価値を高める
「市場価値を高めてから良い企業に転職しよう」と考えている人も多いかと思います。
しかし、実は逆のアプローチも可能です。
前の章でも企業の需要が高い業界(IT業界やAI分野)に転職することの有効性を述べましたが、「希少性や能力を高めるため」に転職をするのもアリです。
例えば、「ベンチャー企業に転職して希少性の高い特殊スキルを身につける」、「研究職に転職して専門的な能力を高める」といった感じ。
このように転職をゴールではなく、キャリアアップの手段として捉え、戦略的に転職を行うことが重要なのです。
まとめ
本記事では、市場価値を把握する方法や、自分に合った市場価値の高め方について解説しました。
市場価値の3要素
- 企業の需要:成長率の高い業界ほど需要あり
- 人材の希少性:他の人にない能力があるか
- 能力の高さ:具体の成果とともにアピール
自分の市場価値が低いと感じている人も悲観する必要はありません。
3つの要素の中から自分に合ったものを選び、ピンポイントで向上に取り組めば、必ず市場価値を高めることができます。
いざとなったらいつでも好きな企業に転職ができるよう、普段から市場価値向上を意識して仕事に取り組んでいきましょう。
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